個人情報
今週日曜日フィットネスクラブに入会した。実は運動不足を補う意味もあって4年ほど前に、知人が営むボクシングジムに通い始めた。週2回のジム通いであったが、これが中々ハード、3分の長さをイヤというほど思い知らされた。しんどければ休めばいいのだが、ボクシングというのは人間が本来持っている闘争本能を蘇えらせるスポーツらしく、リングにあがれば力の限り向かっていく。だが、闘争心をたぎらせ、しっかりと汗をかいた後の爽快感は何ともいえない。その爽快感に暫くはまっていたが昨年2月、突然肩の痛みを感じた・・。サンドバックの叩き過ぎかと思っていたが、実際は五十肩。以来1年肩痛に悩まされる事となり、ボクシングジムも自然休会と相成った。今年に入り大分調子がよくなったので、復活を・・と考えたが、周囲から「少し歳を考えろ、57歳にもなってボクシングはきつすぎる。健康にも必ずしも良いとはいえない・・、」等々の忠告があり、では何をと考えていたところ、駅前のフィットネスクラブが目に入り飛び込んだというわけ・・。直ぐに入会し、日・月と連続して通った。今のところ水泳しかしていないが、これがまた思っていたよりハード。一気に50メートルが中々しんどい。徐々に慣らしていこうと思うが・・、それにしても久しぶりに運動の後の爽快感を味わった。当分はやみつきに成りそうな雰囲気。
ただ、入会手続きの際に、「免許証をコピーさせて貰ってよろしいでしょうか・・」と受付の素敵なお嬢さんから今風に言われた。一瞬、エッ・・。ここ数ヶ月個人情報の事が頭にこびりついて離れない私にとっては、一寸・・と云う感じ。「別に構わないけどコピーした免許書の扱い、処理は・・」、と聞くと、そこはマニュアリ通りの答え、「これを読んで頂ければ」とA4の紙を見せられた。ザッと流し読みをすると、そのフィットネスクラブを運営する会社は勿論、関連企業全てでの使用を承諾する、と成っている。保護法に照らせば何も問題は無い。本人承諾で免許証をコピーし、その使途の範囲もキッチリと告げられている。これにOKすれば、当の企業グループで私の免許証に記載されている個人情報は使い放題になる・・。当然のこと、それにOKをして免許証のコピーをとらせる訳だから・・。別に私の免許証が何処に流れようと何一つ支障は感じないが、「それにしても・・・」と少し考えさせられた。
就職の際の履歴確認で、前職及び前々職に「何々さんが、以前御社にお勤めだったようですが間違い御座いませんでしょうか・・。何時から何時までと聞いておりますが・・」と問うと、「それは個人情報ですから・・。当社は個人情報については一切お答えできません」、「居たか居なかったかだけでも・・」、「個人情報ですから・・それも」、そんな遣り取りが極々普通に成りつつある・・。個人情報保護法が何の為に作られ、何を護ろうとしているのかサッパリ判っていない。個人の事を調べる事が出来ないような社会を作ってしまったらいったいどんな事に成るだろう・・。「それは個人情報ですから・・」とのたまう、官公庁や大手企業の人事担当者諸君。本当にそれで良いのか・・。幾らマニュアル人間でもこれくらいの事は考えて欲しい。法律は最低の道徳、そんなに難しい事や出来もしない事を決めているはずがない・・。それをアホな学者や識者と云われる人種が、一般常識などそっちのけで、「この条文を解釈すると・・・となり、・・・の可能性がある」等と、こねくり回してもっともらしく話し、講演料を手にしている。受講者は、ただただ教えをこうと言う事で、話しの内容や解釈に何一つ疑問を持たず、マニュアルをいかに作るかのみを考える。一方マニュアルが出来ると社員は何の疑問も持たずマニュアル通りにいかに行うかのみを考える。そして、マニュアル社会とマニュアル人間が完成して行くのだ・・
トホホ・・、日本の行く先やいかに・・・。