調査会社の会長ブログ【松谷廣信】

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探偵のぼやき2017/12/28

個人の「社会信用度」 評価

私は、「文藝春秋」の愛読者で、早や読み始めて半世紀を越えてしまった。ただ、若い頃は結構興味深く、発売日が楽しみであったが、何故か近年はそうでもない。歳とともに徐々に好奇心が薄れ、感性も鈍り、興味深く本を読むことが劣ってきた為かもしれない。ただ今月号(2018年1月号)は久しぶりに興味深く読ませていただいた。中でも、「新世界地政学」(船橋洋一)欄に、“エッそうなんだ”と、軽いカルチャーショックを覚えた。

(その記事の抜粋)

「中国では、個人の『社会信用度』を評価するビジネスが急成長している。レンタル自転車の返却時間に間に会わなかったり、コンピュータゲームにはまったり、ポルノを見たり、飲酒運転をしたり、借金を踏み倒したりすると、社会信用度が減点と成る。全体として評価が低いと、自転車のレンタル契約が拒否され、海外旅行の許可が降りなくなり、就職や転職、さらには結婚にもマイナスになる。アリババ系(中国のトップ企業)の芝麻信用はじめ数社がこの分野に進出している。学歴、職歴、マイカー・住宅・資産の保有状況、過去の支払い履行実績、消費行動などの領域で信用を点数化、信用度を350~950点の範囲で格付けし、本人にも公開する。そこでの信用度が上がるとプラスになるため、積極的にこれらの領域の情報を入力する人が既に数億人に達しているという。中国共産党もこれを奨励している。信用の“見える化”をテコに品行方正な人民をつくり、体制安定に役立てたいからである。・・・・」との記事。

皆さんはこの記事を見てどう感じるでしょうか?。私は正直驚いた。余りにもの日本との違いに!。

日本の現状を敢えて記す事も無いと思うが、何でもかんでも個人情報。個人情報は第三者には漏らしてはダメ、プライバシーは勿論のこと、氏名、住所、経歴は勿論、本人が提出した履歴の確認さえままならない。それ故、求職者のこと、結婚相手のこと、取引相手のこと等々、知りたいことの全てがシャットアウトされ、“見える化”などはもっての他。そうした現状を承知してか、経歴詐称は蔓延し、詐欺も横行(詐欺師は、自分の経歴を誤魔化す事から始める)。マスコミで騒がれない以上、大体のことは隠し通せる社会が構築されつつある。それゆえか、自分の行いに責任を持たず、過去は全て隠せるものと思う面々が横行している。

情けないの一語である、が、今の日本は「個人情報保護」一色で、何のための保護かは考えもせず、個人情報は漏らしては成らないの一点張りで、利己主義が横行してしまっている。

江戸時代の五人組制度を是認するわけではないが、ある程度の「見える化」は必要で、世間体なども自己陶冶の一助になると考えるのは私だけでは無かろう・・。ただ、本音を言えば、唇寒しで、人権、プライバシー、個人情報を口にすれば、時代の先端を行く文化人と思われているようである。

時代に逆らう様ではあるが、調査業界に身をおくものが痛切に感じる、社会への提言である。

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探偵のぼやき2017/12/07

個人情報保護と履歴書詐称

先般こんな新聞記事が目に入った。

親元に、22歳の息子が勤める会社から電話が入ったという。内容は、「息子さんが何の連絡も無く数日出社していない。宿舎(社員寮)に行ってみたが姿が見当たらない。何かご存知ありませんか・・」とのことであったらしい。

ビックリした父親は宿舎(東京)に向かい、その足で警察に相談。その他、銀行やクレジット会社など、あちこち足跡を求めて尋ねまわったと云う。ところが、警察では殆ど相手にされず、銀行やクレジット会社など、訪ねた先の全てが、個人情報を理由に全く対応して貰えなかったとのこと。

親が息子のことを心配し、その消息を尋ねまわるのは当然のこと。ところが、個人情報保護の観点から、役所も企業も個人情報保護を盾に、「それは個人情報ですからお応えできません」というのが、極々当たり前な対応となっている。

これで本当に良いのだろうか?。

個人情報保護法では、個人情報取扱い業者が個人データを第三者に提供する場合は、本人の承諾を得なければならないとなっている。しかし、「人の生命、身体又は財産の保護のために必要がある場合であって、本人の同意を得ることが困難であるときはこの限りでない」となっており、いかなる場合でも個人データの開示が許されないものではない事が保護法では明記されている。

従って、如何なる場合でも「それは個人情報ですからお応えできません」というのが正しい訳ではないが、事情を考慮して判断するというのは、それなりに難しく、勤め人など一般的には、会社が保有している個人情報は、目的以外の事には一切出さないと云う事になってしまっている。

わが社が主に行っている「採用調査」などは、もろにこの影響を受け、就職の為に提出する履歴書の確認も非常に難しくなっており、従来の2倍、3倍の労力を要する始末である。

履歴書は一般的には正しいものとされており、求人企業は、求職者が提出する履歴書を疑うことなく、選考基準の重要な参考資料としているが、実際に調べてみるとビックリするほどに実際とは相違している。ところが、この履歴確認さえ、容易に出来なくなっているのが、個人情報保護法である。

但し、個人情報保護法そのものに問題があるのではなく、寧ろその解釈と運用が、事なかれ主義の日本では、どんな事情にも関わらず、「個人情報ですからお応えできません」というのがベターな対応として定着して来ている様である。

「○○さんから弊社に就職応募がありまして、御社に何年何月から何年何月までお勤めであったと申告していますが、間違いございませんでしょうか?」と尋ねると、「それは個人情報ですからお応えできません」と云うのが極普通の対応である。

本人が書いた履歴書の確認が出来ない。その事を知っているワルは、経歴詐称など当たり前のことくらいに思っているようで、最近は履歴書詐称の多いことおおいこと。

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探偵のぼやき2013/09/12

怒り心頭

「今日一日 怒らず、恐れず、悲しまず、 正直、親切、愉快に、  力と勇気と信念とをもって、 自己の人生に対する責務を果たし、 常に平和と愛とを失わざる、 立派な人間として生きることを、 厳かに誓います。」

と言うのが天風会員の「誓いに言葉」であり、毎朝、目覚めと同時に、これを黙誦している。

  1. しかし、これは怒らずにおれるか・・・。

ところが、天風先生は、「それが君たちのダメなところなんだよ・・・」という。怒りの感情が発生するのは、それは仕方ない。でも、その感情を瞬時に切り替えなさい。その方法は・・・・と教えて下さっている。が、やはり、これは、しかし、凡人には怒らずにおれないのだ・・・・・。

平成25年8月29日、警視庁生活安全部生活安全総務課が主催する「探偵業者研修会」が東京で開催されたとの事(小生は参加していない)。その席で配布された資料の中に「採用と人権」(東京都産業労働局 東京労働局・ハローワーク)なる冊子の抜粋されたものがあり、その中で、

(5)身元調査 (守るべきことがら)、とあり、

? 採用に関する身元調査は絶対にしないでください。

? 本籍地、出身地、思想及び信条等の個人情報の収集はしてはいけませ ん。

とあった。同様の文章は30年も前から変わることなく、「採用と人権」を筆頭にあらゆる書籍で目にしてきたものである。しかし、従来は、身元調査云々の前に「差別につながる」の一語があり、解釈次第で、全ての身元調査を禁止しているのではなく、あくまで、差別につながる身元調査を禁止していると、して一様の理解を示してきた。

しかし、今回は「採用に関する身元調査は絶対にしてはいけない」とある。解釈もくそもない。まさに、ジェジェジェ・・・。

何を根拠にこんな事を言っているのであろう。行政が発行し行政官が指導しているのだから、法的根拠があっての事でなければならないが、小生の知識の範囲では、「採用に関する身元調査は絶対にしてはいけない」とまで言える法的根拠を知らない。

一運動団体や学者が、自説として訴えるのはなんら問題はないし、そう考え思う人は、そうすれば良い。ただ行政官が言ったとなると話は別。由々しき問題と言わざるを得ない。

百歩譲って、議論の余地があるとするとすれば、「身元調査」と言う言葉の定義であろう。まさか定義もなしに、この言語を使っているとは思えないが・・・。

古いことではあるが、会議の席で小生は官僚に「身元調査」の定義をたずねたことがある。しかし、官僚はその席では答えられず、その後も答えてもらう事はかなわなかった。

就職応募者(中途)の30%強に経歴詐称がみられ、職務経歴書の中身たるや針小棒大も甚だしく、中には学歴や現住所まで詐称している人がいると云うのに、理由のいかんを問わず、確認をしてはいけない、と云うのが、東京都産業労働局が発行する「採用と人権」の中身である。

「思想及び信条等の個人情報の収集はしてはいけませ ん。」と断言しているが、これについても法的根拠を持っての事であろうか?。

三菱樹脂事件判例 裁判要旨(昭和48年12月に最高裁大法廷で出された判決で、しかも、裁判官15名中、全員が賛同した判例である)

  1. 憲法14条や19条は、もっぱら国または公共団体と個人の関係を規律するもので、私人相互の関係を直接規律することを予定したものではない。
  2. 企業者は、自己の営業のために労働者を雇傭するにあたり、いかなる者を雇い入れるか、いかなる条件でこれを雇うかについて、法律その他による特別の制限がない限り、原則として自由にこれを決定することができるのであって、企業者が特定の思想、信条を有する者をそのゆえをもって雇い入れることを拒んでも、それを当然に違法とすることはできない。
  3. 企業者が、労働者の採否決定にあたり、労働者の思想、信条を調査し、そのためその者からこれに関連する事項についての申告を求めることも、これを法律上禁止された違法行為といえない。
  4. 労働基準法3条は雇入れそのものを制約する規定ではない。
  5. 新卒採用にあたり、採否決定の当初においては、その者の資質、性格、能力その他上告人のいわゆる管理職要員としての適格性の有無に関連する事項について必要な調査を行ない、適切な判定資料を十分に蒐集することができないため、後日における調査や観察に基づく最終的決定を留保する趣旨でされるものと留保解約権の行使にあたっては、上述した解約権留保の趣旨、目的に照らして、客観的に合理的な理由が存し社会通念上相当として是認されうる場合にのみ許される。

最高裁判例は一つの法律であり、以後、その判例を覆す判例が出ない限り、その判例は法律として護らなければならないものと小生は心得ている。で、この三菱樹脂判例以後、この判例を覆す判例が出た事を知らないが、何故に最高裁判例を無視して、行政がこの様な指導をするのであろう。

尚、憲法の基本的人権保障規定は、原則的には「国家」対「私人」における関係について適用されることが予定されているものであり、私人相互の関係を直接規律するものを予定するものではない、とされているが、最近特に感じることは、この国家が国民に対し守らなけらばならない事を、私人間にまで持ち込み、権利主張をする人が非常に多くなって来ているように思う。少なくとも国民は義務を果たし権利を保障されるのであり、義務は放棄し権利だけを主張する最近の社会風潮は、非常に残念に思う。

青柳武彦教授は「個人情報「過」保護が日本を破壊する」と題する本まで出版しているが、まさしく私もそう思う。

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探偵のぼやき2008/01/25

初ぼやき

「大寒の入り」と共に寒波到来、今週は相当冷え込んでいる。風邪など召さぬよう十分にお気をつけてください。

私は、20数年風邪をひいた事がなく、それを自慢にしていた。ところが昨春、アレッと思ったら風邪にかかっていた。
一寸ショックであった。以来風邪には気を付けなければと思いつつ、また、1週間ほど前から風邪の諸症状。歳には勝てぬと云うことなのか、
自分では気付かぬ内にどうも体力が落ちているらしい。

「自然法則に順従」、これが人の本当の生き方という。時に風邪をひくようになるのも「自然法則」なのかもしれない、
と自分を自分で慰めている・・・。

昨日、関西総合調査業協会の会報に「初ぼやき」と題して原稿を書いた。また手抜きとしかられそうだが、その原稿を添付し、
今週のブログとする。

・初ぼやき 「何かおかしい」             会長 松谷 廣信

新年明けましておめでとうございます。今年が皆様方にとりまして恵み多い年となりますよう祈念致します。

新年早々ぼやきたくはないが今年は相当気を引き締めないと、「今年こそは、今年こそはで今年も暮れた」になりそうな気がする。

1月4日の大発会での株の暴落、ご祝儀相場など粋なはからいは何所えやら、
サブプライムローンに端を発した株価の下落は底なし沼に入ったかの如くで、世界同時株安が進行している。また、
需給バランスに関係なく原油高は留まるところを知らない。正直、今の経済は門外漢の私などには全く読めないが、
実態経済は反映せず投機筋の思惑で世界経済が揺らぎ、そのしわ寄せが消費者にもろに来ている。
何となく正直者がバカをみる的な社会になりそうで、嫌な予感がする。

我が調査業界に於いても何となく似た現象が起きている。所謂、消費者泣かせの悪徳業者が確りと稼ぎ、
依頼者の身になって真面目にコツコツとやる誠実な業者が苦境に立たされている。

「石の上にも3年」、ジックリと腰を据え、誠心誠意、真面目に仕事に取り組むと、それなりの結果が付いてくるものと信じてきたが、
最近の現象を見てみると、必ずしもそうとは言い切れなくなっている。何故、こんな事になってきたのか?。

昨年の漢字は「偽」であった。所謂「偽」が流行ったということ、何故「偽」が流行ったのか、「偽」によって稼ぐことができるから?。
「偽」が発覚し倒産や更正会社に陥った所もあるが、表に出たのは多分氷山の一角、実際は「偽」で稼いでいる所が相当数あるに違いない。
“情けない”と思うがどうもそれが実態のようである。中味はどうあれ、如何に装うかが決め手となる。我が調査業界でも調査の中味はともかく、
如何に偽装して広告宣伝を上手くやるかが決め手となってきている。

個人に於いても同様で、中味はともかく自分を如何に装うかである。求職に際しては、如何に履歴書や職務経歴書を偽装するか。
東大卒と書こうが京大卒と書こうが、一流企業勤務と書こうがトップ営業マンであったと書こうが、全てOKである。学校も企業も官庁も、
個人の事は「個人情報保護」を盾に一切応えようとしないのだから。だいたい調査そのものを否定しようとしている。その上、
住民票も戸籍も入手は難しい。従って、何処の誰に成りすましても、そう簡単には見抜けない。「何が真実か・・」などは2の次ぎ3の次ぎ、
そんな事より個人情報の保護が大切らしい。

時代錯誤とお叱りを受けそうだが、経済も社会も何処か狂いが生じて来ているように思えてならない。

そんな環境下での探偵業法の施行である。探偵業法は1にも2にも消費者(依頼者)の保護と被調査人の保護が目的である。法の運用は、
その目的にそった運用であって欲しいと願う。真の消費者保護は、適正な料金、適正な方法で正確な調査を行い、
誠実な報告する事ではなかろうか。偽装した宣伝広告だけが上手い悪徳業者が淘汰され、
真面目な業者が生き残れるような法の運用であって欲しく、その為に業界団体は一丸となって活動して行かなければならないと考えている。

微力ではありますが常に問題意識を持って取り組み、業界発展の為に微力ながら今年も頑張って行く所存ですので、
会員皆様方の変わらぬご支援をお願いいたします。

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探偵のぼやき2006/01/27

戸籍、住民票問題


私にとって今最大の関心事は、戸籍・住民票問題です。昨年、調査業者が行政書士を通して戸籍・
住民票を入手していた事に端を発し、今国会で戸籍・住民票を原則非公開にとの改正案が上程される見込みになっております。この事は、
個人情報、プライバシー、人権の流れからすると、「自然で尤もな改正案」と一般には思わるかも知れませんが、実は大変な問題なのです。


一般には、自分の戸籍や住民票が他人に見られる、となると何となく嫌な感じがする。そこで
「本人の承諾なしには取れなくする」というのは結構な事だと。又、マスコミ嫌いの政治家も、結構な法改正ではないかと思うのではないか・・。
ところが、一歩踏み込んで考えると、人の身分を公証する資料は戸籍・住民票以外にはない。その戸籍・住民票を「公開原則」から「非公開原則」
に改められたら、嘘のつき放題である。


何故ならば、氏名、生年月日、住所、親子関係、結婚の有無などは戸籍・住民票でしか確認ができない。
これを非公開にすると云う事は、真に相手が誰であるのか確認する手段が奪われるという事です。従って、
身分に関する事項で幾ら嘘を言ってもOK。名前も歳も住所も嘘のつき放題。ましてや、結婚歴や親子関係などは・・、
過去何回離婚していようが子供が何人いようが、初婚、独身で通る。入籍して始めて判ったのでは後の祭りでしかない。
単身赴任者が独身を装って彼女を口説くなどは今では日常茶飯事である。ところが、今はそれでも疑いを持てば、法的には現戸籍は、
「何人でも理由を明らかにして請求する事ができる」となっており、確認手段はあるが、法改正が行われればその手段さえ奪われてしまう。


戸籍・住民票の改正案は、プライバシー保護を理由に、大きな人権が侵される結果を招く怖れが十二分にある。

 

 

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