調査会社の会長ブログ【松谷廣信】

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探偵のぼやき2006/01/27

戸籍、住民票問題


私にとって今最大の関心事は、戸籍・住民票問題です。昨年、調査業者が行政書士を通して戸籍・
住民票を入手していた事に端を発し、今国会で戸籍・住民票を原則非公開にとの改正案が上程される見込みになっております。この事は、
個人情報、プライバシー、人権の流れからすると、「自然で尤もな改正案」と一般には思わるかも知れませんが、実は大変な問題なのです。


一般には、自分の戸籍や住民票が他人に見られる、となると何となく嫌な感じがする。そこで
「本人の承諾なしには取れなくする」というのは結構な事だと。又、マスコミ嫌いの政治家も、結構な法改正ではないかと思うのではないか・・。
ところが、一歩踏み込んで考えると、人の身分を公証する資料は戸籍・住民票以外にはない。その戸籍・住民票を「公開原則」から「非公開原則」
に改められたら、嘘のつき放題である。


何故ならば、氏名、生年月日、住所、親子関係、結婚の有無などは戸籍・住民票でしか確認ができない。
これを非公開にすると云う事は、真に相手が誰であるのか確認する手段が奪われるという事です。従って、
身分に関する事項で幾ら嘘を言ってもOK。名前も歳も住所も嘘のつき放題。ましてや、結婚歴や親子関係などは・・、
過去何回離婚していようが子供が何人いようが、初婚、独身で通る。入籍して始めて判ったのでは後の祭りでしかない。
単身赴任者が独身を装って彼女を口説くなどは今では日常茶飯事である。ところが、今はそれでも疑いを持てば、法的には現戸籍は、
「何人でも理由を明らかにして請求する事ができる」となっており、確認手段はあるが、法改正が行われればその手段さえ奪われてしまう。


戸籍・住民票の改正案は、プライバシー保護を理由に、大きな人権が侵される結果を招く怖れが十二分にある。

 

 

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探偵のぼやき2005/12/12

堀本沙也乃ちゃん殺害事件に思う。採用調査と使用者責任。

またも幼児殺害という痛ましい事件が起こった。世の中いったいどないなっとるんじゃ・・怒り心頭でまたまた血圧が上がる。

堀本沙也乃ちゃん殺害のニュースを聞くと同時に思った。「この塾はもうダメだ」と。師が師弟を殺す、しかも小学校6年生の子供を。

塾講師の荻野容疑者は、過去窃盗未遂から暴力事件を起こし、大学から停学処分を受けていた過去があるという。しかし、会社(塾)は、
停学中の荻野を講師として採用していたものである。

もし、これがアメリカであれば「ネグリジェント・ハイヤリング」と言われる考え方で、塾側の使用者責任が徹底的に問われ、
多分数十億の損害賠償を請求される事になるでしょう。

「ネグリジェント・ハイヤリング法」とは、求職者の職歴調査を行っていなかった為に生じた使用者責任の問題です。所謂、入社前に、
求人企業が求職者の経歴調査(採用調査)を正確に行っていたかどうか、その事が使用者責任の大きな分かれ目になるのです。今回の
「沙也乃ちゃん殺害事件」でも、塾講師として相応しいかどうか、採用前にキッチリと調査したが、過去に暴力事件などを起こした経歴はなく、
性格的にも変質者的な要素が全く判らなかった場合と、求職者の申告のみを信じ、何らの調査もせずに採用したケースでは、
使用者責任の度合いが全く違う、という考え方です。

従って、米国では入社前の採用調査は、採用マネージャが行わなければならない最低用件の一つになっているが、日本は
「採用調査は差別につながるおそれがあるからしてはいけない」と厚生労働省が必死になって行政指導している。いったいこの差は何だ・・・。
そして、この事件である。

人権とかプライバシーとか個人情報保護とかの名のもとに、最大の人権が侵害されたのである
国は勿論のこと、企業も、一方的な人権論者や団体のいう事のみに唯々諾々とするのではなく、
使用者責任が今後より一層問われる時代になることを考え、真剣に論議してもらいたいものである。

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探偵のぼやき2005/10/21

住民基本台帳の閲覧規制

今朝の新聞報道によると総務省は住民基本台帳の閲覧を規制する方向性を打ち出し、総務庁長官に上申したとある。
いよいよ来たかという感じ。個人的には住基台帳の閲覧規制はある意味理解できる部分はあるが、閲覧規制の背景に何があり、今後、
閲覧規制から交付規制と進み、住民票の公開原則を非公開原則にしようとの流れが見え隠れする事を大いに危惧する。

法解釈は難しく素人の私には理解できないものが多いが、住民基本台帳法の第12条(住民票の写し等の交付)2項には、
何人でも市町村長に対し、住民票及び住民票記載事項証明書の交付を請求することができる。となっているにも関わらず、
実際には殆どの市町村で、他人の住民票の交付請求をしても交付してもらえないのが実情である。理由は、総務省通達や条例で、
交付に関し相当厳しく規制している為である。その結果、多種多様な不祥事が起き、一部犯罪の温床にもなっている。しかし、
民事問題が大半であるためマスコミが取り上げる事も少なく、社会問題化するには至っていないが、日常的に男女関係、債権債務、
商取引などのドロドロとした民事に絡む問題の相談を受ける調査会社は、
住民票が入手できないが為に大変な問題が生じていることを危惧している。

国が住民票や戸籍の公開原則を頑なに守って来た背景が何なのか、公開原則が崩れることによってどんな弊害が出てくるのか、
今一歩踏み込んで考えて欲しい。そして公の場でもっともっと議論を進めて欲しいと思う。

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探偵のぼやき2005/10/18

戸籍、住民票

先週3日間、火、水、木、と連続して業界団体の理事会があった。お陰で血圧が急上昇しお医者さんから大目玉を頂くに至った。
理事会の内容は何れも個人情報保護法及び戸籍住民票問題で議論奮闘、思いは一緒でもいざ行動となると意見百出。
総論賛成各論反対はどこの世界にでもある。業界の意見を一つにまとめるなどは至難の業であるが、
少なくとも今回の戸籍住民票問題では大道につき行動を起こさないと、業界は勿論、国民に取っても大変な禍根を残すことになると思う。

マスコミ報道によると法務省は9月20日、公開が原則となっている戸籍について原則非公開とするよう戸籍法を改正する方針を固めた。
また、住民基本台帳の閲覧、取得制限の検討にも着手するとある。戸籍、住民票の公開原則は、その必要性から頑なに守られて来たが、
今回これを改正し原則非公開にするという法改正である。

戸籍法第2章第10条(戸籍の謄抄本・記載事項証明) 1.何人でも、
戸籍の謄本若しくは抄本又は戸籍に記載した事項に関する証明書の交付の請求をすることができる。2.前項の請求は、
法務省令で定める場合を除き、その事由をあきらかにしなければならない。3.市町村長は、
第1項の請求が不当な目的によることが明らかなときは、これを拒むことができる。4.第1項の請求をしようとするものは、郵便により、
同項の謄本、抄本又は証明書の送付を求めることができる。

このように現実には公開が原則にも関わらず、行政窓口は原則非公開とし、
他人の戸籍は理由を明らかにしなくても請求する事ができる弁護士や司法書士など8業種の有資格者が、
請求事由を詳細に記載して請求しない限りとれないいよう非常に厳しく制限し、住民票においてもほぼ同様の扱いをしている。
結果多種多様の弊害が出てきているがそんな事はお構いなし。唯ただ大きな圧力団体の言いなりに動かされている。

そこで現在の個人情報保護の流れと、戸籍住民票問題が一緒になると間違いなく大変な社会が出来上がる。履歴書などは100%書き放題、
東大卒と書こうが京大卒と書こうがその時の気分しだい、職歴も大手上場企業や官公庁を書いておけば全てOK
(大手や官公庁ほど個人情報過保護法にして過敏になっている)、状況によっては生年月日も5歳位の誤魔化しは通用する、
現住所も郵便さえ受け取れる形にしておけばどこを書いてもOK。幾ら調査会社に依頼しても、学歴、職歴の確認さえできないし、
生年月日の確認も住所の証明もできない。

結婚に際しても同様で、過去何回結婚離婚を繰り返していても、本人が初婚と言えば初婚。単身赴任者が「俺独身・・」
と言えば独身で通用する、誰も確認できなくなるから。そして、悪いやつほどよく眠る・・的社会ができあがる。

企業間の取引、契約事で相手先の信用調査を否定する馬鹿はいないが、個人間の取引、契約事では調査そのものを否定し、
国が犯罪を奨励するかのごとき法改正を行わんとしている・・・。

会社の存在も、株式会社、有限会社、合資会社等の組織の如何に関わらず基本は法務局への登記であり、その登記内容は公開で、
誰でもが閲覧も交付請求も出来るシステムになっている。その為安心して取引が出来るのである。
ところが戸籍住民票が非公開になると個人間の取引では、相手が何処のだれか本人に聞く以外にしか確認の方法がなくなる。しかも、
本人が言う事を鵜呑みにするしかない。確認したくても住民票も取れなければ戸籍も取れない。
勤め先に確認しようと思ってもプライバシーを理由に応えてくれない。

詐欺師や人を騙そうとする人間は、特に世の流れを察知する事には目ざとい。何時でも自分が透明人間になれることを知ると、
何を考えるやら。思っただけでゾッとする。しかし、今の風向きからすると、そんな社会が目の前に来ているようだ・・・。

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探偵のぼやき2005/09/13

個人情報保護と戸籍住民票

ブログが書けないというほど多忙でもないが、ついつい日々の雑事にかまけ伸び伸びになってしまっている。反省頻りというところです。

先々週は東京で、植村鞆音氏の「直木三十五伝」の出版記念パーテイーに参加する機会に恵まれた。東京會舘で開催されたが、
文壇のそうそうたるメンバーが顔を揃えており、緊張と同時にその場に居ることの幸せを噛みしめたひと時であった。冒頭の挨拶が城山三郎、
2番手が丸谷才一。とにかく面白かった、丸谷さんの仕種には呆気に取られた。全く気取がなく自由奔放というか子供のようと云うか、
とにかくその人となりに度肝を抜かれた感じであった。早速帰阪するや図書館に直行、丸谷才一の本を借りたのはいうまでもない。

それにしても小泉自民党の圧勝には驚いた・・。前評判で自民党有利とは云われていたがここまでとは。
昨日は自民党圧勝を好感して株価も大分上がったとか。何れにしても安定政権を確保したからには、
確りと足を地に着けて国家100年の計に立った政治をして欲しいものだ。

戸籍法や住民基本台帳法の一部改正や運用規定の改正が一部で囁かれているが、
少なくとも圧力団体の言いなりに改正するような愚行は避けて欲しいものだ。戸籍や住民票が本人、
親族以外に取れなくすることを考えているようであるが、もしそんな事になったら、
今問題になっている個人情報保護法と相俟って真の詐欺師天国が建設される事でしょう。結婚詐欺はし放題、嘘はつき放題、
何か都合が悪くなれば逃げればよい(先ずつかまる事はないでしょう)、
私.松谷廣信が明日から名前を変えて川端靖で生きることもそう難しくなさそうだ。
権利だけを主張し義務を負をとしない日本人が益々増えていくことになりはしないか・・。

今、我が社で実施している中途の採用調査(雇用調査)では全体の30?40%に職歴詐称が判明する。
従って職務経歴書の詐称は何をかいわんやである。しかし、最近の個人情報保護のながれからすると近い将来、職務経歴は勿論職歴、
学歴の確認も殆ど出来なくなるかもしれない。

今、企業の特徴的傾向は、採用予定者の経歴が正しいのか否か?、職務経歴は申告通りか否か?、
自分らでは殆ど出来ないので調査会社に確りと調べてくれと依頼する・・・。
ところが自社の社員情報は個人情報保護を理由に如何なる問い合わせにも応じない。利己主義の最たるものだ・・・。
もう少し社会全体の利益を考えて欲しいものだと思う。

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