調査会社の会長ブログ【松谷廣信】

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公正採用

会長日記2019/06/28

  またまたですが、厚労省が指導する「公正採用」についての一考察。

 「公正」って、そもそも何でしょう。大辞林によると、「かたよりがなく正しいこと」「はっきりしていて正しいこと」などとある。所謂、採用選考の段階で、かたよりがあってはならず、「偏りのない正しい選考を行いなさい」ということであろう。その為に「応募者が実際にどんな人なのか(身元調査)を調べてはいけません」などとは決して言わないと思う。

 ところが現実はそうでなく、厚労省は、「採用の際の身元調査は絶対に行わないでください」と指導している。

 何故か?。それは数十年前のことであるが、その当時の採用調査は、就業に必要な本人の能力や資質にかかわりのない、居住地や親の職業など差別につながる調査を実施し、報告していた事実があったからである。

 しかし、それは4~50年前のことで、企業も調査会社も過去の誤りを深く反省し、採用時の調査で部落差別につながるような調査はしないし、分かった事でもそれが差別につながると思われることは報告もしない、という事を徹底して実施している。ところが今から20年ほど前に大阪で、部落差別につながる採用調査をしていた調査会社が内部告発により発覚し、大問題になった。

 この事もあって、厚労省は二度とこのようなことがあってはならないとし、未だに「身元調査をしないで下さい」と全企業にお願いをしている。それも毎年丁寧に行っている。

 ただ、厚労省がここでいう身元調査とは、何処までの何をさして言っているのかが今一つ判然としない。所謂、「身元調査」の定義がはっきりとしていない。

 実は数十年前の事であるが、行政が「身元調査」という言葉である規制をしていたことから、その行政機関に「身元調査」の定義を文章で問い、文章回答を求めたことがあるが、その返答に半年以上もかかり、結局回答は「定義はない」とのことであった。

 定義もなく規制するとは?と思った記憶があるが、人権問題となるとこうした結構あいまいなところがある。

 そういう面からいうと、厚労省が使用する「身元調査」も定義が無いまま使っているものと思われる。出身地、出所、出生、氏素性、家柄、家系、血統などの調査を身元調査という場合もあれば、経歴や性格素行などの調査を身元調査という場合もある。尚、身上調査、バックグランド調査、経歴調査、採用調査、雇用調査、結婚調査、素行調査などあらゆる人に関する調査を総称して身元調査と称する場合もある。また、身元確認とか身元保証などでも使われる。所謂、身元という言葉は、使う人、状況などによって色んな使い方がされており、漠然と身元調査といっても何処までのどの範囲をさしているのかが判然としない。

 今実施されている採用調査は、本人の能力、資質に重点を置き、提出された履歴の確認、前職での勤怠状況、退職時のトラブルの有無、反社系の有無、申告住所の居住確認等が主なもので、 本籍地や原籍地にふれることは無く、家柄や血統などを調べることもない。かと言って、この採用調査は身元調査で無いかといえば、そうでは無く、多分に身元調査の範疇に含まれると思う。

 今企業が私どもに依頼する採用調査は、公正採用のために実施しているのであって、差別を意図したものとは全く違う。

 履歴書や職務経歴書がすべて正しく正確で、面接での申告が全て本当の事であれば、採用調査をする必要は無いであろうが、現実はそうでなく、弊社で扱う履歴書には30%強の詐称があり、職務経歴書も可なりオーバトークになっているものが多い。同様に面接時の申告も事実とはかけ離れていることが多く、採用調査なくしては公正な選考ができないのが現実である。

 少なくとも、虚偽の履歴書や虚偽の申告がそのままノーチェックで通用することはあってはならないと思うが、何故に採用調査を厚労省は「しないで下さい」と指導するのであろうか?。

 その理由は、「差別につながるおそれがあるから」。確かにおそれが100%無いかといえば、無いと断言はできない。

 しかし、「おそれ」で物事を規制すれば、多分に恐怖政治、恐怖社会につながるのではなかろうか。私の持論であるが、「包丁が殺人に使われたからと言って、包丁は殺人につながるおそれがあるから、包丁の製造も使用も禁止する」などとは先ずならないと思う。ところが「差別」に関しては、おそれのあるものは全てダメというのがまかり通るようである。

 今一度、真剣に考えて頂きたいものだ・・・。

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