調査会社の会長ブログ【松谷廣信】

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訴訟社会

会長日記2010/07/16

 私の周辺で訴訟問題が起きた。直接ではないが身近な人で、しかも当人は身に覚えはあるが訴訟事件になるなど全く思いもしなかったこと。そこで、小生に相談を持ちかけて来た。ところが私は調査のプロではあるが法律は門外漢。

 法律は、社会生活を営む上での最低限のルールであり、ある程度の社会常識と道徳観念さえあれば、裁判など無縁のものと心得ており、日々の生活は自分の感覚で判断し、法的に云々など殆ど考えもしない。被相談者も私同様で、自分也の常識で、何らの悪意も無く行った行為が、今回の訴訟事件と云う訳である。

 アメリカは、訴訟社会と云われ、法曹界に係わる人は非常に多く、弁護士の数も日本の数倍は居るようであるが、法曹人が多いから、事件が少ないかと云えば、そうでなく、平穏な社会かと云えば、そうでもなく、犯罪も訴訟事件も日本の数倍は起きている。これって、一寸おかしいと思いませんか・・?。平穏で安心して暮らせる社会にを願って法律を作り、その法を守る為に、法曹人は居ると思うが、その関係者の多さに比例して訴訟事件も多くなっていくようである。

 私が師事する中村天風先生の講演録の中にも似たような話しがあった。先生は、明治、大正、昭和と生きた人である。昭和30年代当時のお話、「戦前は今と比べ、医者の数も病院の数も極めて少なかった。ところが戦後、西洋医学がもてはやされ、医者の数も病院の数も数倍に膨れ上がり、しかも、病院が赤字など聞いたことがない。病気を治す為の医者や病院が数倍になり、しかも赤字でないと云う事は、病人の数が数倍に増えていると云う事である・・・」云々と。

 所謂、世の矛盾をついたお話しであるが、いいえて妙。法曹界でも、今回の相談を受け、結構同様の事が起こりつつあるのでは無いかと感じた。

 実は、訴訟を起こされると受けなければならない。原告の言い分に反論しなければ、原告の訴えがそのまま通ってしまう。ところが、普通の小市民は裁判などした事がない。答弁書を書こうにも、何をどう書けば良いのかよく判らない。そこで、弁護士さんに相談に行く。すると、相談料が必要となる。で、結果は、自分1人では難しいとの判断になる(99%がそうだと思う)。そこで、弁護士さんにお頼みすると、簡単な事件でも着手料30万円。その上に、交通費、諸経費、結果報酬が必要となり、少なくとも50万円くらいは覚悟しなければならない。

 50万円は小市民にとっては大金である。ところが、自分が何の罪の意識も無く、自分の常識で極普通にした事が、ある日突然告訴され、結果勝っても50万円くらいは覚悟しなければならない。そんな訴訟社会が目前に来ており、私の周辺でも、「エッそんな事で・・・」と驚くばかりの訴訟が提起され、これから戦わなければならい事になっている。全くもってトホホ・・・である。その内に、名誉毀損などの損害賠償訴訟を商売にする様な人物が現れ、「訴訟で儲ける方法・・」などと云う、本が出版されるかも・・・・?。

 戦後アメリカによる日本弱体化政策がボディブローのように功をそうし、国や社会は二の次、義務などは眼中に無く、個人の権利利益のみを主張する、全く嫌な訴訟社会が目の前にチラついて来た。こんな社会は天国から眺めることにしようかな・・・・。

 本年6月の文芸春秋に「日本国民に告ぐ」と題して、藤原正彦氏(御茶ノ水女子大教授、数学者)が出稿しているが、よくぞここまで書いてくれた、と深く感動した。藤原氏は「国家の品格」を著し、品格ブームを起こした人とであるが、私は今の日本では最高の文化人だと確信し崇拝している。

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