ラッキー案件
社内でラッキー案件と呼ばれる調査がたまにある。一般的には採用調査であるが、一人の求職者が複数の企業に応募し、
弊社にその採用調査を別々の企業から依頼してくるケースである。ところが、今回のラッキー案件はそれと少し違い、
1ケ月ほど前に調査した被調査人が偶さか別の企業に応募し、その調査が弊社に来たのである。こんなケースは滅多にないが、
それでも年に1?2件はある。
担当調査員、案件を受け取るや否や「あれ・・、この人記憶あるでー」、「ラッキー、○○会社で1ケ月前に遣っている案件や」、
ところが暫くして調査員、「参ったまいった」と嘆くことしきり。被調査人は同一人物でありながら履歴書記載の職歴が大幅に相違している。
職歴確認は再度やり直し。前回の職歴に無かった職歴があり、有った職歴が無くなっている。
調査をしているうちに調査員も何がなんだか訳が分からなくなり、ラッキーどころか、かえって時間がかかってしまったと云うわけである。勿論、
前回の調査でも「問題あり、要検討」の応募者として報告しており、今回も同じく「問題あり、要検討」ではあるが、
報告書は一から書き直さなければならなかった。
履歴書ていったい何だ・・・、少し考えさせられた案件であった。
それでも今回の応募者は、職歴が中小企業中心であったという事もあり、結構取材先も調査に協力的であったが、
これが大企業や官公庁であれば先ず無理。「個人情報については一切お応えできません」で終わりである。
そんな事をヒントに、このブログを書きながらフッと考えた、こんな儲かりもしない難しい商売をしているよりも、
「絶対に合格する就職ガイダンス」 と名うってセミナー業でも遣ろうかと・・。
「貴方の過去は問いません、お好きな履歴をご用意します。今日から貴方は一流商社マン、本当の学歴なんて関係ない、貴方は今日から東大卒、
私は明日から京大卒。絶対に判らない履歴書詐称の記載方法を教えます・・」などと云うのはどうだろう。しかも、
就職の際の調査は差別につながる恐れがあるからしてはいけません」と、税金を使って必死に行政指導している厚生労働省と共催するというのは。