転石苔を生ぜず
今週月曜から水曜の3日間、日経夕刊で郷土力士「隠岐の海 歩」の特集記事が載っている。
中でも昨日の隠岐の紹介は良かった、今日の夕刊が楽しみでーす。一読あらんことを・・・。
で、ついでと云う訳ではないが、昨日の日経夕刊コラム「あすへの話題」蘭に御茶ノ水女子大の外山名誉教授が「転がる石」と題した、
こんな記事が載っていた。
「”転がる石は苔をつけない”ということわざがある。”転石苔を生ぜず”
の方が良く知られている。いずれにしてもイギリスのことわざの訳である。住まいや職を転々変える人間は成功しない、の意で、
カネがたまらないと解する向きがある。アメリカではこれが逆の意味でつかわれ、有能、活動的な人はつねに新鮮だというのである。
同じ諺でも國や環境によって全く逆の意味に解され、それにきずいた日本の学者が、英和辞書に、このイギリス、
アメリカ両方の意味を併記して注目された。」、とのことを紹介し、
以下いろいろと先生の感じたところのものを書いておられるが、これを読んで私も一言云いたくなった。
私は仕事柄、一日何通もの履歴書を読み、その履歴書を元に申告内容が正しいのか否か、職務経歴記載事項が正しいか否か、また、
前職での勤怠、退職理由、人間関係などを調べ、そして必要に応じては生活態度や素行関係を調べ、又その調査報告書に目を通している。
しかもそんな仕事を40年の長きに亘って続けている。従って、自慢ではないが履歴書を読むと大方のことは判る。
そこで一言、「転石苔を生ぜず」
はイギリスの解釈が真理だと(日本人にはピッタリだと)。
日本の年功序列制は崩れ、20年ほど前には転職の時代とはやされ、何時の間にか転職も離婚も何ら恥ずべきことでなく、
寧ろキャリアとして誇る人さえ出てきている。ところが毎日何通もの履歴書とその人の生活を見させて貰っている私が強く実感するのは、
「石の上にも3年」で
「転石苔を生ぜず」はイギリスの解釈が正しいと。
アメリカではローリング・ストーンがもてはやされたが、日本人にはやっぱり「包丁一本さらしに巻いて・・・♪」がよく似合う・・・。
「継続は力なり」、真理は何時の時代も変わらない・・・。