不祥事 | 調査会社の会長ブログ【松谷廣信】

調査会社の会長ブログ

不祥事

2012年10月12日

探偵業に関連して、この1年、不祥事が連続して発生しており、業界的には非常に厳しい状況に追い込まれている。

先月の新聞報道でも、「戸籍謄本など不正取得  行政書士ら8容疑者逮捕」と題し、偽造書類を使っての戸籍謄本の不正取得に関わった、行政書士や情報屋と呼ばれる擬似探偵業者の不正が報じられていた。

私は以前から、戸籍、住民票の交付請求に対する行政の窓口対応に疑問を呈し、独善的と云われるのを承知で、自分の思いを公言してきたが、この期に及んでは余り大口も叩けない状況になっている。

今回の事件の真相は定かでないが、一般的に我ら調査業者は、第三者の戸籍や住民票を入手しなければ、正確な調査が出来ない案件が日常茶飯事にある。

本来、戸籍法や住民基本台帳法からすれば、第三者でも権利の行使や義務の履行の為に必要があれば交付請求は出来る事になっており、権利や義務のある人から委任を受ければ、調査業者でも交付請求は可能と考えているが、現実には行政(市町村)の窓口を突破するのは至難の業で、先ずは無理と云える状況になっている。

その現実があるが故に、調査業者の多くが、比較的簡単に入手出来る立場の人に依頼をする、と言う行為に及んでいる様であるが、この安易な考え方が今回の事件に繋がっているように思える。

戸籍、住民票は公開の原則に伴い、従来は誰でもが交付請求でき、閲覧も自由であった。しかし、同和問題などで差別に使われた事実が発覚し、交付や閲覧に一定の制限がかけられ、請求の祭には理由を明らかにしなければならなくなり、不当に使われるおそれがある場合は、市町村長はその請求を拒む事が出来ることになった。ところが、前回の改正で、第三者請求は、権利の行使か義務の履行の為に必要が生じた場合、身分を証明した上で請求する事が出来る、と云うことになった。

以下は改正された法律

第1   戸籍の謄本等の交付請求
  交付請求
  (1)   戸籍に記載されている者等による請求
    戸籍に記載されている者又はその配偶者、直系尊属若しくは直系卑属は、その戸籍の謄本若しくは抄本又は戸籍に記載した事項に関する証明書(以下「戸籍謄本等」という。)の交付の請求をすることができるものとする。(第10条第1項関係)
    市町村長は、アの請求が不当な目的によることが明らかなときは、これを拒むことができるものとする。(第10条第2項関係)
  (2)   第三者請求等
    第三者請求
      (1)アに規定する者以外の者は、次の各号に掲げる場合に限り、戸籍謄本等の交付の請求をすることができるものとする。この場合において、当該請求をする者は、それぞれ当該各号に定める事項を明らかにしてこれをしなければならないものとする。(第10条の2第1項関係)
    (ア)   自己の権利を行使し、又は自己の義務を履行するために戸籍の記載事項を確認する必要がある場合 権利又は義務の発生原因及び内容並びに当該権利を行使し、又は当該義務を履行するために戸籍の記載事項の確認を必要とする理由
    (イ)   国又は地方公共団体の機関に提出する必要がある場合 戸籍謄本等を提出すべき国又は地方公共団体の機関及び当該機関への提出を必要とする理由
    (ウ)   (ア)及び(イ)に掲げる場合のほか、戸籍の記載事項を利用する正当な理由がある場合 戸籍の記載事項の利用の目的及び方法並びにその利用を必要とする事由
    公用請求

アにかかわらず、国又は地方公共団体の機関は、法令の定める事務を遂行するために必要がある場合には、戸籍謄本等の交付の請求をすることができるものとする。この場合において、当該請求の任に当たる権限を有する職員は、その官職、当該事務の種類及び根拠となる法令の条項並びに戸籍の記載事項の利用の目的を明らかにしてこれをしなければならないものとする。(第10条の2第2項関係)

以下はQ&A

Q9 第三者が戸籍謄本を請求することができる場合とは、具体的にはどのような場合をいうのでしょうか。

A 自分の権利を行使したり、自分の義務を履行したりするために戸籍の記載事項を確認する必要があるような場合や、国等に提出する必要があるような場合等をいいます。

 具体的な例としては、「(1)提出先は○○家庭裁判所であり、(2)請求者(甲)は、平成○年○月○日に死亡した弟乙の相続人(兄)であるが、乙の遺産についての遺産分割調停の申立てに際して添付資料として乙が記載されている戸籍謄本を提出する必要がある」というような場合です。

Q10 私は会社の社長をしていますが、会社の業務として第三者の戸籍謄本を取得する必要が生じました。私の代わりに社員を戸籍窓口に行かせたいのですが、その場合、どのような書類が必要でしょうか。

A 会社の従業員が窓口で請求するときは、次のいずれかの方法によります。

(1) 社員証の提示及び代表者の資格を証する書面の提出による方法

(2) 法人の代表者が作成した委任状及び代表者の資格を証する書面を提出する方法

 等となっている。

 但し、第三者請求は、公的機関への提出以外は、先ず難しい。いわんや、我ら調査業者が調査の基礎資料として入手しようとしても、現実には不可能に近い状況になっている。そこで、迂回入手を行い、結果、不法行為として罰せられる。この構図が今回の事件の裏に見え隠れする。

 調査業者は、依頼者の要望事項に少しでも正確に応えようとしたが為の善意の裏返しとも云えなくはないが、違法行為が許される訳も無い。

 例えば、結婚を前提に付き合いをしているカップルの一方が、何かを切っ掛けに、相手に疑問が生じたとする。そこで、その疑問を解消しようと、相手に問い詰めるが、一向に拉致があかない。そこで、調査会社に疑問解消の為にとお願いをする。

 こうした場合、正確な調査をしようとすると、大半の場合、被調査人の住民票なり戸籍なりが必要になってくる。具体的には、重婚や親子問題、離婚歴や経歴詐称等など数え上げれば切りがないくらいある。だいたい、何処の誰か判らなくて正確な調査等できる訳が無い。

 「何を云っている・・・だいたい調査そのものがいかん」などと言う人もいる。しかし、世の全て、何か疑問が生じると、先ず調査してみて、とか、よく調べてみます、と言うのが極々一般的である。

 ただ、こんな事を書き出すと、明日の朝まで書き続けても、切りが無いので省略するが、権利・義務の解釈(範囲)を、具体的事例を基にもっともっと議論を深めなければならないと思う。そうでないと、新聞報道で見られるような事件は、多分に後を絶たないのではないかと危惧する今日この頃である。

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