調査目的の正当性 | 調査会社の会長ブログ【松谷廣信】

調査会社の会長ブログ

調査目的の正当性

2012年01月23日

 何時もの事ながら、「関西総合調査業協会」の会報誌原稿をしたためたので、掲載前にブログに転載させて頂きます。立っている者は親でも使え、などと云う便利な言葉があった様に思うが、利用できるものは全て利用すると云うのが私の主義でして・・・あしからず。

 「新春放談」             

 新年明けましておめでとう御座います。昇り龍、辰年の新春、会員の皆様はどの様なお正月をお迎えでしたでしょうか・・・。

 私は、還暦を向かえ早や5年、御歳55歳。人生120年、還暦を折り返しとし、母のお腹に帰るまで後55年。今までの人生を振り返ると長い様で意外と短い。従って、これからは心身の健康に最大留意し、残り55年を「明るく 元気に 活き活きと 勇ましく」生きて行こうと、決意新たに新春のスタートをきりました。

ところが月半ばを過ぎ、何か変わったかと云えば・・・、あいも変わらず時間に追われ、何するで無くバタバタと無為な時を過ごしており、早や反省しきりであります。

ただ、今の調査業界に無為な時を過ごしている余裕は無く、業界人が一丸となって社会的認知を得られる内部改革を行わなければならない、と強く思わせられている所であります。と云うのが、昨年後半に新聞紙上で大きく報道された、調査業者による公文書や個人情報の不正入手問題であります。

私は予てから戸籍・住民票は、公開を原則としたものであり、「交付請求に対する役所の対応にこそ問題がある」と声を大にして来ました。実際に、戸籍法や住民基本台帳法は、人権、プライバシー、個人情報保護などの観点から何度か法改正が行われ、無制限な公開には一定制限が課されたものの、第三者でも、権利行使や義務を履行する為の交付請求は公に認められており、我ら調査業者も権利義務のある依頼者から委任を受ければ、交付申請は可能と解釈して居ります。

ところが業者の多くは、戸籍・住民票は如何なる理由があっても入手不可能と考え(そう思わせる対応を役所がしている事もあるが・・)、正面からの請求には消極的になっている様です。

ただ、被調査人と調査依頼者との関係は様々で、単に権利の行使、義務の履行と云っても思い方、考え方、立場によってその解釈は大きく異なり、役所の運用面でも温度差が相当にある様です。

例えば、結婚を前提にお付き合いしている一方の相手が、お付き合いの過程で相手に疑問を感じ、その疑問を解くために住民票や戸籍を確認する必要が生じたとする。

こうしたケースで、一方の相手(第三者)が役所に赴き戸籍、住民票の交付請求をした際に、権利の行使として交付を受けられるか否か?。云うまでもなく結婚は人生の一大事で、結婚を決めるには相当の決断と信頼関係を必要とするが、その信頼関係に疑問が生じたとすると、それをクリアーにしなければ事を決める訳には行かないでしょう。その為の住民票や戸籍の交付請求は当然の権利行使と考えるが、役所はどう判断するのでしょうか。よしんば結婚を前提とした相手方の交付請求は当然と認められたとしても、今度は結婚前提のお付き合いを役所にどう証明するかである。ただ単に仲良く手を繋いでいる写真では証明になるまいし、もう少し親密な関係をとなると、これもまた一寸・・・。婚約証明などと云われたら、これはこれで大変だし、だいたいは婚約する前に確認、調査の必要性が生じるものである。そんなこんなで、実際は結婚の為の相手確認は極めて難しいのが実情です。ところが、結婚の為の調査依頼は非常に多く、しかも、その依頼にお応えするには、被調査人の住民票や戸籍は必要不可欠とさえ云える。元々、住民票や戸籍の交付規制は部落差別をさせない為の一方策として取られたものである。今では、個人情報やプライバシー問題など、規制のための規制理由を列挙し、規制する事が人権擁護になっていると諸官庁は考えているようであるが、実は、戸籍、住民票の交付規制が人権侵害につながり、いかに多くの善良な市民が泣かされているか、などは役人は勿論、法改正に関わる知識人と云われる様な人は知る由も無さそうである。

差別調査は基本的人権の侵害であり、法的にも道徳的にもしては成らない事であり、特に大阪府下では条例でも規制されており、やれば罰を受けることになっている。従って、差別調査など実施する業者がいるはずも無いのに、何故に十年一日の如く「つながるおそれがある・・」等として、ここまで規制を強化しようとするのでしょうか。

しかし、今回の不正入手の事件は全く別次元の問題です。

我々が行う情報収集にはある意味ダーティーな部分を伴う事も有る。そのダーティーさは良く言えば調査力とも云え、何の特権も持たない調査業者が綺麗ごとのみでお客の依頼に応えようとするのには無理があり、法律スレレスの技法を使う事も有ろうと思うが、それでも情報収集に努めるのは「調査目的の正当性」がバックにあっての事である。

私達調査業者が絶対に犯してならないのは目的の正当性である。目的の正当性が故に、情報収集のダーティーさもある意味許されると、我田引水と云われるかも知れないが、そう考えている。ところが、今回の事件は、新聞報道によると「調査目的の正当性」は微塵も感じられず、ただ金の為だけに動いたとしか思えないものである。こんな反社会的な目的で、戸籍、住民票を入手し逮捕されたのでは弁護のしようもない。

役所の規制が厳しいから迂回入手をした、役所の対応が間違っているから止むを得ず行った等と云えるものではなく、過去の我々の主張が全て水泡に帰す、怒りをとおり越して情けなく成るほどの愚かな行為である。

私は、この仕事を幾ら叩かれ様と自負心を持って続けているのは、調査目的の正当性が背景に有るが故の事なのです。

会員の皆様もこのことだけは肝に命じて、仕事に邁進して欲しく思います。

 

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