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リファレンスチェックは意味あるの?

コラム 2022/06/07

 ここ数年、急激にGoogleの検索数も増え続けている「リファレンスチェック」という言葉。
採用・人事にかかわる仕事をしている人であれば今最も注目されている採用手法の一つとしてアンテナをはっている方も多いかもしれません。今から2年前に薬物に関する取締役法違反で有名俳優が逮捕されましたが、その俳優を使って大々的にプロモーションを展開した企業が、なんとリファレンスチェックサービスの会社であったことはなんとも皮肉な話ではありますが。

 リファレンスチェックとは、身元照会の意味であり、多くは人材採用の場において、応募者の前職での実績や勤務態度などを元上司や同僚に確認をすることを指します。欧米では当たり前のように取り組まれている採用手法の一つですが、日本では認知度が低い理由としてはいくつか挙げられるかと思います。

まず昔ながらの習慣や風土としては以下のような理由が挙げられます。

1,終身雇用制度により転職する人自体が少なかった
2,縁故採用、近所の評判などである程度身元がわかっていた
3,そもそもかつては就職の際の調査は各社で行われていた

そう。わずか数十年前の話にも関わらず今や存在自体が忘れられたかのようになっていますが、そもそも各社人事部は人の雇用にあたってはある程度の経歴調査は行っていた先がほとんどでした。
また近年、終身雇用制度が崩れてきて転職が増えてきているにもかかわらず、調査が下火になってきた理由としてはただ1点。

1,個人情報保護法の成立

の影響力が圧倒的にありました。
しかし2003年に設立した個人情報保護法とは、当初、その法律の規制対象は個人情報を大量に所有する法人に対してのものでした。決して私やあなた、一人ひとりのプライベートな情報を他に漏らしてはいけない、保護します、という法律ではありませんでした。それがいつのまにか様々な解釈がされるようになり、猫も杓子も個人情報といえば守られると錯覚するほど幅を利かす法律となっています。

 欧米ではリファレンスチェック(身元照会)は当たり前に行われてきたと冒頭記載をしましたが、それには多民族国家、そもそも移民が作った国において、身元の確認なくして雇用することは、日本とは全く違う次元で様々な危険と隣合わせであったと思われます。差別という問題も、銃社会であるという大きな前提の違いを考えても、一つ間違えば命がけの対立抗争となる欧米と日本では土台からして違う風土であると考えなければならないでしょう。

 ITなどの分野においては欧米で今はやっているものが3年後、日本に広まると言われていますが、果たして日本におけるリファレンスチェックは今後どうなっていくのでしょうか。一つ考えられることとしては意味合い、重要度の差はあれど、日本にも何らかの形で広がるであろうということ。
それはここ直近2年のGoogle検索一つみてもその動きはすでに顕著であるし、リファレンスチェックサービスをリリースする会社の数を見てみても一目瞭然です。

参考https://media.bizreach.biz/search2020/

 日本におけるリファレンスチェックは、バックグラウンドチェック(採用調査)とほぼ同義で使われるような傾向もあり、その場合、採用前のリスクヘッジとして、出された経歴書が正しいか、退職理由は記載どおりか、などを確認するために行われる目的が多いと思われます。いわゆる「前職の評価チェック」のみ簡易的に行いたい場合には、応募者本人が提出してきた2~3名程度の前職関係者にアンケートを取るという手法が取られます。昨今新しくリファレンスチェックサービスとしてリリースされているもののほとんどはこのパターンです。
 サービス内容を事前にしっかり理解したうえで使い分ける、また欧米での使い方とはまた別の【日本市場】での活用方法を見つけることができれば、採用市場に一石投じる新しい手法としてその市場は確実に成長していくものと思われます。

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