調査コラム

企業サービスの調査コラム

採用前調査~昨今の状況について思うこと~

コラム 2022/06/19

 相変わらず新種の情報などがあり落ち着いたわけでもないコロナだが、まん防の期間も終わり先日東京出張の機会があった。久しぶりの対面となったお客様や新しい訪問先など含め色々回ってきたが、改めて大阪と東京の意識の違いを感じることがあった。これだけグローバルな社会となり、進学も「上京」ではなく「海外」が比較選択の中に当然のごとく上がる世の中において、まさか今どき東京VS大阪論を語ろうとは思いもよらず。ただ20年近く東京にいた人間が、大阪の商圏で仕事をするようになると、何とは明確に言えずともやはり感覚の違いを感じることがある。

それは例えば「契約」に関する捉え方でいうと以下のようなことがある。
申込書に様々な規約事項があるが、その記載の有無に関して。
・〇〇についての責任は負いかねる
・有効期間は◯年まで
・反社会的勢力とつながりがないことを保証する
など、基本として記載しておくべき事項に関しても、それを記載すること自体に躊躇する感覚が大阪ではあるが東京ではない、など。おそらく大阪ではそんな分かりきっていることをわざわざ記載してなんか疑っとるんか?と気分を害するようなことも、東京では「契約書」だから当たり前と捉える風潮があるように思われる。
※個人的な感想である。

・・・と、この上記の「個人的な感想」というような注釈も東京で15年近く仕事をしていた感覚では昨今つけなければ常識がないと思われる、との感覚であったが、大阪にきて仕事をしている中では「誰が一体そこまで気にすんねん」というツッコミが入りそうである。またこれは大阪と東京の違いというよりも、会社の体質の違いや、業界による違いの可能性もある。何にせよ、新しい場所で仕事をしていく上ではこれまで当然と思っていた感覚が、全く違う場合も大いにあるので、気をつけなければ思う今日このごろである。

 さて、東京VS大阪というわけではないが昨今の変化をもう1点。“嘘つき”に関する意識についてである。企業サービスは採用前調査(バックグラウンドチェック)を行う会社である。その調査過程で、応募者本人が提出された内容に明らかな詐称が見つかることが少なからずある。それを報告する際の、依頼企業担当者側の反応が微妙に変わってきている感覚がある。報告結果に関する最終判断は当然、調査依頼をした会社側の判断であるが、明らかな嘘を並べた経歴書であっても「〇〇が素晴らしかったからそこは問題ではない」という方がいる。
しかしそちらが、まだ取引前のクライアントであれば、詐称をするということはどういうことか、を改めて説明するようにしている。

・人生の節目(今や転職をそこまでに思わない人は多いが)である転職先への提出書類で嘘を書く人が、社内の仕事で嘘をつかないと信じることができるか
・何者かわからない人が社内に入った後に起こした問題の事例
等など・・・。

そしてそれらの直接的な利害とは別に、そもそも嘘を書いた人が試験に受かり、正直に書いた人が落ちるという「正直者が馬鹿を見る」世の中にしていきたいか、ということを常日頃考える。採用選考基準にこれまでの職務経歴が全く関与しないのであれば、そもそも提出させる必要もない。ただ一切の履歴書、経歴書を見ずに中途採用を行う面接官がどれほどいるか。実際最終面接まで上がってきて採用直前の人に関して、最後に色々と詐称が出てきた際、でも採用したいと思うがために
「まあ、詐称なんて別に能力がありうちで活躍してくれるならかまわないさ。嘘くらい人ならだれでもつくだろう。」と判断されるなら、それ以前の職務経歴書をみて落とした人がいないかを併せて考えてみたほうがいい。果たしてその判断はどこまで「公平なもの」であっただろうか。
 

 昨今採用に関して様々な方法が模索され、人材会社もその手法を様々作り出している。人材採用は会社の根幹である。「いい人を採りたい」気持ちはどこの会社も同じだろうが、その採り方にどこか途中でねじれが起こってはいないか。
 個人的に若い頃、飛び込み営業ばかりをしていて毎月の数字達成が自らの生き死にのごとく追い詰められていた時期、どんな企業であろうと発注をくれて支払いさえしてもらえれば何だって神様に思えた時期があった。ただあるとき、そこが半グレ集団とつながりがあり、支払いが滞って人生でこんなに追い詰められたことがないくらいどん底になった時期がある。
採用という仕事にかかわる以上、根底として持っておくべき規範は失わないようにしていきたい。

株式会社企業サービス

バックグラウンドチェック(採用調査)事例集https://www.ks110.com/example/index.html#backgroundcheck

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