調査会社の会長ブログ【松谷廣信】

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採用調査に思う

未分類2013/08/21

  弊社は昭和54年創業以来、34年間一貫して採用調査をメインに営業してきた。ところが、業界的には、ここ40年間斜陽の一途を辿っており、自ら口にするのはおこがましいが、よくもこんな不況業種の中で遣ってこれたものだと思う。

 人事調査の大手と云われた所でも、最盛期の10%にも満たない状況にまで落ち込んでおり、最大手の帝国興信所(現、帝国データバンク)などは、人事調査からは完全撤退するに至っている。

 その理由、原因は、

 昭和50年以前までの興信所は、部落差別に関する調査に手を染めていた事実があり、また、企業の中にも、そうした調査を依頼していた所があった。その為、昭和50年に発覚した地名総監事件を切っ掛けに、「人事調査は差別につながる・・・」とのレッテルが貼られ、運動団体と行政機関が一帯となって、「身元調査お断り運動」を全国的に展開した結果と云える。

 「自ら出た錆び」と言うか、依頼さえあれば何でも的な考えが業界内にあり、企業の犬と揶揄されながらも、後ろめたさを感じながらも依頼に応えていたと云うのが事実では無かろうか・・・。

 ところが、昭和50年以降は、業界は猛反省をし、「差別調査は、しない、受けない、やらせない」運動を展開し、自ら積極的に差別撤廃運動に参画し、差別の無い社会造りに努めてきた。

 結果、私の知る限り、今では、部落差別調査を依頼する企業も無かれば、それを行う調査会社も100%存在しない。

 人事調査、採用調査は何の為に行うのか?。それは、一言で云えば、「本当の事を知るため」「リスクマネジメント」の一貫としてであり、人の世が続く限り、無くては成らない仕事であると考えている。

 警察は事件が起きてから、その事実解明に動き、弁護士も何か事が起こってから動く。ところが、興信所、探偵社は、「転ばぬ先の杖」として、事を起こさぬよう、事前に調べるケースが大半である。採用調査は、その最たるもので、応募者の申告履歴が正しいのか否か、職務経歴書に嘘は無いか、そして、ペーパー試験や面接だけでは判らない職能に関する事項を調べ、採否の参考に供するものであり、今の調査は100%差別を意図したものではない。

 アメリカなどは、企業が従業員を採用する前に、キチッと調べたか否かが裁判に大きく影響するくらいで、ネグレジェントハイアリングなる考え方で、採用前調査は必要不可欠なものと成っている。ところが、日本の行政は、業界が幾ら努力しようが改善に務め様が、何一つ評価せず、10年一日の如く、「人事調査は差別につながる恐れあり」として、企業に行政指導を行っている。

 行政機関と云う所は、先輩の書いた文章の一箇所を変えるのに大変な労力をようする様である。それからすると、今までの行政指導を変えるとなると、私たちの想像を絶する根気と労力が必要であろう事は容易に想像がつく。しかし、これは内々の問題では無く、当業界は勿論、企業にとっても国民にとっても重大な問題であり、是非とも再考して頂きたいと望んでいる。

 

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