経歴詐称、採用調査 | 調査会社の会長ブログ【松谷廣信】就活に関する信用調査

調査会社の会長ブログ

経歴詐称、採用調査

2012年02月22日

 個人情報保護法が個人情報過保護法となり、今では個人情報は本人承諾なくしては口外してはならないもの思われている様である。

 従って、個人に関する何かを尋ねると、必ず返ってくる言葉が、「それは個人情報ですから一寸・・・」と云うものである。多分、こうお応えする人の頭の中には、「個人情報は口外してはいけないもの」として強くインプットされているからに外ならない。

 しかし、個人情報保護法と云う法律を正しく理解している人がどれくらい居るでしょう。

 多くの人は、何時の間にか個人情報保護法と云う法律ができ、個人の事を話すときは、その人の承諾がなければダメらしい・・・等と、誰云うと無く勝手に解釈し、何か云うと「それは個人情報ですから・・・」と言うのが当たり前になり、個人情報を洩らさないのがコンプライアンス意識の高い高潔な人と思われると思ってか、猫も杓子も個人情報、個人情報とのたまう様になっている。 

 私がこのブログを書いている今現在、すぐ近くに居る調査員が電話口で、「モシモシ、すみませんが御社に以前、○○さんと言う方がご在職なさっておられたと思うのですが、ご存知ありませんでしょうか?・・・・・」   「イエ、その個人情報をどうこうと云うのではなく・・・・お勤めしておられたかどうか・・・・」   「アッ、そうですか・・・どうしてもですか・・・、ガシャン」   全くもうー、何が個人情報だ///。

 「アッ、モシモシ。何々さんの御宅ですか?、すみませんがお近くにお住まいの何々さんのことで、少しお尋ねしたい事がありまして・・・・」   「エー、エー、だから個人情報をどうこう言うのではなく、何時頃からお住まいで・・・、どんな方なのかな・・っと思いまして」   「エッ、ダメですか。イヤイヤ、そんな難しい事をどうこう言っているのではなく・・・・ガシャン」   まったくもう・・・・。

 聞かずとも判る・・・先方さんが何と応えているのか。会社員は、「それは個人情報ですから・・せっかくですがお応えできません。エー決まりごとですから」。近隣のおばちゃんは、「それって個人情報でしょう・・・。そんなこと言えません・・・」。  間違いなくこんな受け答えでしょう。

 これって、個人情報保護法の正しい解釈なのでしょうか?。

 これが正しいとすると、人(個人)のことは何一つ知る事もできなければ、確認することも出来なくなる。そんなんで、人と人が関わるコミュニティー社会が成り立つのでしょうか。

 「あの方どこの人」、「イヤ、それ個人情報ですから」、「何歳くらい・・・」、「個人それも情報ですから」、「お名前は・・・」、「そんな個人情報は・・・」。流石にここまで笑い話の様なことは無いでしょうが、しかし、調査員の質問に対する受け答えも同様で、個人の事については一切応じられないと言う事であり、知人間の会話も、個人情報のやり取りであり、法的に規制されているのであれば同様の事となる。

 従って、こんな法律が制定されている訳が無いのに、個人情報保護法だけは、とんでもない勝手な解釈がなされ、今では完全な過保護法となっている。

 ここで今一度、個人情報保護法の概略をみて見よう。

 個人情報保護法は、個人情報取扱業者を対象に定められた法律であり、取扱事業者に該当しない者は、この法の規制を受けない。

 「個人情報取扱業者」とは、5000件以上の個人情報をデータベース化し、検索できるシステムにし、そのデータベースを事業の用に供する者を云うのである。

 従って、一般の家庭の主婦や個人情報をデータベース化していない、零細企業などは個人情報保護法を云々する必要は殆どない。また、何かの会合や趣味の集まり等で、100名、200名の名簿を作ったとしても、特にこの法律の規制を受けるものではない。ところが、5名、10名の名簿でも、これは個人情報の塊ですから、絶対に他に洩らしてはいけません、などと偉そうにおっしゃるのが極々一般的となっている。

 従って、弊社のような、採用調査や経歴調査を主に代行している会社は、前述のように仕事が遣り難く大変である。

 履歴書は、本人が自らの履歴を書くのだから、一般的には正しいものと誰しもが思っている。ところが実際は、有職者の履歴書には、全般の30%強に詐称が認められる。これは日本ばかりで無くアメリカに於いてもほぼ同様の数字と云われる。

 就職の際の機会均等が叫ばれると同時に、選考も公正に行わなければ成らないのは当然の事で、そこに差別的な事があってはならない。と云う事は、履歴書は正しくないと、公正な選考はできない。

 従って、提出された履歴が正しいのか否か、職務経歴書が正しいのか否かは、当然確認して、間違っていれば正して貰わなければならない。その為に、企業は私どもに、応募者の履歴や職務経歴の確認を依頼するのである。

 ところが、最近は個人情報保護法の壁が厚く、学歴も職歴も中々簡単には確認出来ない。学校は何処に限らず卒業確認には応じない。企業も大半が職歴確認に応じない。全て、個人情報保護法を盾にしてである。従って、調査員の苦労は並大抵でない。依頼企業は「お宅、プロでしょう?」のひと言で、「判りませんでした・・」では通らない。

 嘘の様な本当の話であるが、履歴書に書かれた住所に住んでいない。生年月日が違う。家族も妻有りとしているが実際は居ない。大卒とあるが実際は高校中退。公務員歴20年としているが実際は半年。こんなのは決して珍しい事ではない。しかし、筆記試験や面接で履歴書の詐称など判りようがない。

 氏名、年齢、住所を確認するには住民票が必要不可欠である。結婚の有無や親子関係を確認するには戸籍が必要不可欠である。しかし、住民票も戸籍も第三者の取得は殆ど不可能になってきている。

 非常に恐ろしい話しであるが、大学の卒業証明書偽造、在職証明書の偽造、住民票の偽造、免許書の偽造などが実際には相当数行われている。ところが、今の社会システムでは、偽造か否かを確認する術が閉ざされている。

 従って、この事を知っている詐欺師などのワルは、平気で詐称や偽造を行い、仕事のお膳立てをするのである。

 一般の人はこんな事は思いもしないでしょうが、我々調査業者はイヤと云う程、この現実を見せられている。しかし、知ってか知らずか行政官は聞く耳を持たず、できるだけ調査を規制し、ワルが喜ぶ社会形成に力を注いでいるように思えてならない。

 

 

 

 

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コメント

  1. 松谷社長の調査会社としてのスタンスとご苦労は涙がでる位、理解できます。私も以前企業信用調査の会社に勤務しておりました。尊敬する物流会社の会長が天風会で講演した時のサマリーが掲載された冊子を見せて頂き、中村天風氏に興味を持ち、調べていた時にこのブログを発見いたしました。信用収縮が叫ばれ、調査会社としても厳しい時代と存じます。哲人・天風先生のファンの企業リーダーは多いと聞きます。更なるご活躍と良質な報告で依頼者を大切にして下さい。祈っております。

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