調査業を取巻く環境パート2 | 調査会社の会長ブログ【松谷廣信】就活に関する信用調査

調査会社の会長ブログ

調査業を取巻く環境パート2

2008年10月28日

関西地区の良識派の業界人で構成する団体に、「関西総合調査業協会」と言うのがある。その協会の会報誌「関調協会報」を今日発行した。その会報誌に掲載した私の原稿を添付し今日のブログとする。悪しからず・・・。
調査業を取巻く環境(米国と日本の格差) 会長 松谷廣信
 今私の手許に以下のようなレポートがある。これは、アメリカのシンクタンクから日本のシンクタンクの理事に送付されてきたリスクマネジメントの資料である。
取引業者に係る事項
1.下のようなケースでは、すべてコンプライアンス担当者はその取引の内容及びそれに関係する情報をコンプライアンス委員会に報告しなければならない。
・不適格な人、あるいはその可能性が疑われる人が存在する可能性のある商業取引
・ある額以上の資産の売買、金融取引
・継続的な企業関係、戦略的提携、ジョイントベンチャー
報告には次のような事項を含めなければならない。
名称、住所
法的形態(例えば株式会社、ジョイントベンチャー、合名会社等)
事業形態(事業内容)
事業展開している地域
役員名、主要株主および下記のような背景調査(アメリカの例)
・身元調査、住所履歴
・犯罪歴
・職歴、学歴の確認
・ライセンス(免許)、証明書等の確認
・運転歴調査(違反等)
・クレジットカード履歴
・自己破産等の記録調査
・留置、裁判歴
・法令違反等
・メディアサーチ(マスコミに取り上げられたものの調査)
・国外行動調査
提案されている取引の理由(我社、子会社の側から見て)
その取引の合法性
この取引を仲介あるいは紹介したことによって報酬を受ける人がいればその身元確認が必要
2.物品、サービスの供給者との取引に係る原則は以下の通りである
・コンプライアンス委員会は、不適格な団体、人物と我社・関連会社が取引を継続している場合、それを「不適切な重大事態」と認識する。
・したがって、このような取引関係が即時中止されることを我社にとって最善であると認識する。
・コンプライアンス担当者は全ての物品・サービスの取引相手の背景調査を行い、その正当性を定期的に確認しなければならない。そこで疑義のある場合には調査を行い、その結果を全て委員会に報告しなければならない。
 所謂、コンプライアンス上ある一定の取引に関し、相手企業と役員及び大株主について徹底した身元調査を定期的に行い、関係するコンプライアンス委員会に報告することを義務づけている。
 驚く無かれである。私は、前回の全調協の会報誌に米国の採用調査についてのネグリジェント・ハイアリングなる考え方を紹介し、採用マネージャーが行わなければならない必要最低限の一つに採用調査(身元調査)がある事を書いたが、商取引に関してもこれ程身元調査がコンプライアンス上重要視されているとは思わなかった。今更ながらアメリカと日本の感覚の違い、調査に関する考え方の違いに驚かされるばかりである。
 米国では、企業の社会的責任上、雇用者の責任として採用調査を詳細に行い、商取引の相手先を綿密に調査する事を徹底して行っている。ところが日本は、個人情報保護や人権、プライヴァシィを盾に、人事調査(身元調査)そのものを否定しようとする考え方が大手を振い、厚生労働省や自治体は、採用調査も結婚調査も「差別につながるおそれ・・」として、極めて否定的な見解を取っている。また、何を根拠にしているのか、「身元調査をしないよう」指導し、ハローワーク等は「採用調査」が行われたと云うだけで事情聴取さえ行っている。所謂、差別の有無ではなく、「つながる怖れ」として調査そのものを問題と捉えている。
 米国では人権や商道徳、企業の社会的責任を果たすために身元調査を重要視し、一定の手続きさえ踏めば、個人の居住履歴、クレジット情報、運転履歴、犯罪歴、裁判歴などの情報は比較的簡単に入手できるシステムを構築している。ところが我が国は、人の住所、氏名、年齢さえ確認できなくし(住民票の公開制限)、親子関係や結婚歴などは、たとえ結婚相手でも確認できなくし(戸籍の公開制限)、行政や大手企業は、求職者の履歴(学歴、職歴)も個人情報保護を理由に第三者照会には応じないシステムを構築しているる(個人情報保護法の拡大解釈)。そして、自分の所さえ良ければ、自分の所さえ問題にならなければ的利己主義をコンプライアンスと取り違え、社会の安全・安寧などの社会的責任は全く眼中にないのではと邪推したくなる状況にある。最近話題になった、事故米の流通(三笠フーズ事件)なども、米国的なコンプライアンスの考え方で、取引先調査を徹底していれば、流通段階の何処かできっと歯止めが掛かったはずである。

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